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高森明勅
2015.11.3 08:07

宮中祭祀と皇室祭祀

11月3日は明治天皇のお誕生日だった日。

明治時代には「天長節」と呼ばれ、昭和2年から22年までは
「明治節」
と呼ばれていた。

今の祝日名は被占領下に由来する。

これから「明治の日」に改めよう、との呼び掛けもある。

当然だろう。

明治神宮ではこの日、年に1度の例祭が行われる。

例祭には、全国16の勅祭社の1つとして、
天皇陛下のお気持ちによって勅使が差遣される。

勅使は陛下からの御幣物(ごへいもつ)を献じ、
御祭文(
ごさいもん)を奏する。

明治大帝の尊霊への敬虔な至誠のご発露である。

天皇陛下の祭祀は宮中にとどまらない。

例えば、昭和天皇20年式年祭(平成21年1月7日)の折などは、
武蔵野陵に迄お出ましの上、恭しくご拝礼され、
ご自身で御告文(
おつげぶみ)を奏された。

天皇陛下の祭祀を「宮中祭祀」とだけ呼んで、
宮中での祭祀にばかり目を向け、神宮・
神社や山陵での祭祀を
見落とすようなことがあってはならない。

天皇陛下の祭祀の全体は、だから「皇室祭祀」とお呼びするのが、
むしろ相応しい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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